2月のまとめ

こんばんわ、大井昌和です。

早いです、もう3月とは。
2月は今更ながらハイペリオンシリーズを読んでました。
本当に今更ですいません。


これが発売されてた当時は若く、ひねくれていたので、
星雲賞を取ろうが、SFなのに一般書と同じベストセラーに入ろうが無視して
御三家の古いSFを漁ってたり、ディックの『流れよ我が涙・・・』の文庫本になぜか2千円も付いているのを見て悩んでたりしてたので
新刊なんていつでも読めるからいいや、と放っておりました。


ただ、今読んで良かったです。
あのころだったら設定の矛盾とかしょうもないところを突っついて、
この奇跡の小説をフルに楽しめていなかったと思いますので。


小説読んでて初めて、読み終わるのが悲しい、寂しい小説でした。
一冊あたり軽く600ページは超える上下巻の4部作、計8冊の小説を読んでいるのに、
「もう終わるのかよ」と。
シリーズの最後、『エンディミオンの覚醒』の下巻、アイネイアーがパクスと戦うとき、
アイネイアーの試練に悲しみを覚えるとともに
本を持つ左手の残りのページ数の薄さに悲しくなり、
読み終えたとき、
お話に感動して悲しいのか、もうハイペリオンシリーズが読めないことが悲しいのか
わからないくらい、すごい小説でした。


主観では
小説の完成度としては、ヴォルコシガンシリーズ、
設定の作り込みはファウンデーションシリーズ、と思ってるのですが
ハイペリオンは両方ともおよばない、どころか「設定?なにそれ?」という感じでぶっ飛ばしていきます。
ただひたすら面白いことを追求しているのでした。
素晴らしい。


シリーズの最後の本に夢枕獏があとがきを書いているのですが、そこに
「最終小説」という言葉が出てきます。
これは格闘技における、「史上最強」「必殺の奥義」
将棋などにおける「最終定石」
と同じ意味の、氏の造語らしいのですが、
ハイペリオンはまさしく「最終小説」だと言ってました。
頷く以外無い、良いあとがきでした。


そこに自分が感じたのはもうひとつ。
ハインラインの「あの言葉」はやっぱり正しかったのかなあ、と。




んで、本を読んでる時間以外は仕事していました。


そして3月は、
幻冬舎コミックスより『女王蟻』第二巻と
(2巻は「ちい」や「一年生」などでいつもお願いしているデザイナーさんにお願いできました♪やっぱり素晴らしい・・・!
Hさんいつもありがとうござます!)
同じく幻冬舎コミックスより出る予定のゲッターロボのアンソロジーに、24pの読み切りを描いてます(やっと言えた)
あと、芳文社の「まんがタイムきららフォワード」で『一年生になっちゃったら』で表紙と巻頭カラーをやらせて貰ってます。
(増刷続いてます。ありがとうございます!)
竹書房の『ちいちゃんのおしながき』はいつものようにやらせてもらってます。くらオリでは今月(か来月)、企画四コマもやらせて貰います。(単行本4巻のアンケの返りが良いと担当が喜んでました。ありがとうございます♪)

女王蟻 2 (バーズコミックス)

女王蟻 2 (バーズコミックス)

ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)